専門家としての遺言書作成、生前贈与、不動産管理法人、生命保険の活用による税務実務(改訂版)
■著者:山本 和義 著
■発刊日:2023年11月15日
■ISBN:978-4-7547-3148-9
■書籍紹介
税理士にとっての「相続」関係のマーケットは意識せざるを得ない分野です。近年、民法の改正、相続登記の義務化、相続時精算課税制度の改正、生前贈与加算の改正などもあり、これまで以上に、計画的な相続対策が必須となっています。本書では、資産税領域の税務実務に精通する著者が、4つの相続対策として、?遺言書作成、?生前贈与による相続対策、?不動産管理法人の活用、?生命保険を活用した相続対策、これら基本項目を実務家の立場から詳細に解説します。クライアントに対して、実際にどのように提案を行うのかを、事例や根拠となる裁判例・裁決例、法令・通達等を交えて、丁寧に解説します。税理士にとって唯一残されたといってもよい有望なマーケットが相続対策と相続税の申告業務です。相続税の申告件数の増加だけでなく、相続手続をはじめとするビジネスチャンスのすそ野が広いことが特長です。相続税の申告が必要な場合にだけ税理士が必要とされるのではなく、相続手続が必要な事案には必ず税理士をはじめ専門家の力を必要としていることを考えれば、税理士がその窓口となって、ワン・ストップサービスを行い、相続人の期待に副うことが社会からの要請でもあると考えられます。相続対策は、相続税の軽減対策だけでなく、広く相続問題、特に相続争いの防止や相続税の納税資金対策などにも十分配慮されたものでなければなりません。財産のたな卸を実行すれば、現状を正しく認識し、問題点を抽出して、その対応策を立案し、計画的に実行に移していくことができます。相続対策には、専門家として、3つの課題の解消することによってクライアントの信頼を勝ち取り、業務拡大につながる大きな可能性を秘めています。?「争族」の防止、?相続税の納税資金対策、?相続税の軽減対策の3つの課題の重なり合う部分を解消・解決するために、幾多の相続対策が考えられますが、その中から厳選して4つの相続対策である基本項目について詳しく解説を試みたのが本書の特長です。相続争いの防止には、「遺言書」、相続税の納税資金対策には、「生命保険の活用」、相続税の軽減対策では、「生前贈与」や「不動産管理法人の活用」が最も効果を挙げることが期待されます。また、それらの対策は、1つの課題の解消だけではなく、3つの相続対策の課題の解決に役立ちます。各々の対策に対して、プロ意識を持ち、的確なアドバイスと提案を行うためには、税務に関する実務的な知識だけではなく、税法をはじめ、民法等の関連法令への理解と習熟、行政への広い知識、過去の裁判例等での考え方や解釈の理解等も必要であり、本書では、随所に必要な法令・通達の条文や裁判例を収載すると共に、設例により具体的なシミュレーションが行える構成となっています。また、著者の実務家としての経験も踏まえて、条文からだけでは分からない実的なアドバイスも「コラム」等で紹介しています。